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【 職人技 】棟梁(とうりょう)「今井 政廣」
当社とはもう30年以上お付き合い頂いている今井建築の棟梁。
砺波平野に広がる散居村の中でも、典型的な日本家屋のご自宅にお邪魔させてもらった。
一見古い家屋だが、玄関に一歩足を踏み入れれば、手入れの行き届いた
落ち着いた癒しの空間に包まれた。
と同時に、棟梁の家づくりに対する情熱を感じる。
更に、職人魂の心こもった芸術作品のような数々が魅了して已まない、
まるで美術館のような、建築に携わる者にとっては心くすぐられる空間である。
杉の一枚板を戸に配し、木目を生かした造りの玄関収納。
既製品では出せない味わいを醸し出す。
天板の漆塗りは、風格が伺える。
今では手に入れるのが困難な材木と、若い大工には太刀打ち
できないような木組みの存在感が半端ない。
古い家屋に見られる広い広間。「枠の内」だ。
釘1本も使わず、欅材のみを組み上げた豪華で重厚感ある造りである。
その上部に飾られた照明。材料、色合い、大きさに拘って手作りした一品。
既製品では、枠の内に見合ったものが見つからない。
【 小物シリーズ 】
大工職人以上に家具職人かと思うほど手の込んだ作品が、見るものを魅了する。
わくわくが止まらない。
余計なコメントは無用だ。とにかく、じっくりとご覧あれ。
普段は気に留める事の少ない襖の取っ手。繊細な絵が描かれていた。
解体される家屋の襖で使用されていた金物を再利用し、
再び価値を見出したのである。
ご自宅の職場の一角に手作りの囲炉裏だ。
ヤカンを固定する"横木"と呼ばれる部材(魚を模った部材を吊るすのが一般的)
魚を思わせる流線形の木材を吊るしている。
複雑な年輪からは、歴史の息吹が伝わってくる。
棟梁の分厚い手によって命が吹き込まれたかのようである。
以上、
ものづくりを仕事とする大工の遊び心と、趣味が一体となった雅な作品集でした。
繊細でとても丁寧な仕上がりとなっていて、素人が見ても造り手の想いが
自然と伝わってくるような住空間でした。
「散居村という集落形態は、ここで暮らした先人たちが、
自然に働きかけて自然との共生を図って残してくれた
知恵の結晶だ。」
と、どこかで誰かから聞いた記憶を思い出す。
確かな技術を培ってきた職人たちと、今日も「家」という芸術作品をお届け
できている事を誇りに思います。
取材協力 棟梁 今井 政廣